第10話・ターゲットにされたラビット

[前回までのあらすじ]
 大分玉ちゃんと仲良くなってきたラビット。
 そんな浮かれ気分のラビに忍び寄る影とは? 
 そしてついに玉ちゃんが、彼氏(ラビット)の存在を親に告白してしまう・・


第10話 ターゲットにされたラビット
 

「どうしようか?海ちゃん~!」
 海と一緒に風呂に入っていたラビットだが、唐突にいわれて海は何がなんだか分からなかった。
「はあ?何がどうしたんだ?」
 髪を洗いながら海ちゃんは反応した。
「それがさぁ、玉ちゃんが親に俺のこと話したらしいのさ。それで、その時に親が言った言葉が『ラビット・・怪しい名前ね・・』だってよ。どうする?こんなこと言われて」
 しばらく海ちゃんは考え込んで、
「・・・つーか、当たってるじゃん、十分怪しいし。その親はすばらしいほどの直感を持ってるなあ」
 海ちゃんは笑いながら答えた。
「くそ~、俺のどこが怪しいんだ・・・。」
 本気になってラビットは考えていた。
「それはそうと、君危ないよ。」
「え?何が?」
 ラビットは拍子抜けした顔で返事をした。
「だってさ、彼女の家は厳しいんでしょ?だったらなおさら娘に彼氏ができたら心配するでしょ?だからおそらく、彼女の親は探偵を雇うと思うね。ラビットってどんな奴なのかってさ」
 その海ちゃんの言葉にラビットはしばらく沈黙した。
 まんざら冗談にも聞こえなかったのであろう。
 しばらくしてラビットが答えた。
「どうしよう海ちゃん~。」
 いつものように泣きついてきた。
「そんなことを言われてもなぁ~。相手はプロだぜ。君みたいな素人ではつけられているのにも気づかないだろう。ま、せいぜいホテルに入る時は用心しておきな」
 相変わらず他人事のような言葉で答える海ちゃん。
 しかし要点は押さえた答え方だ。

 ・・・その後、親がどこまで知っているのかは誰にも分からない。
 少なからず、玉ちゃんとラビットにもその真相はわからない。
 そう、知っているのは親だけなのだから・・・

                              
[次回予告]
 話しは再び大学入学当初の頃。
 「いいかげんな奴だなぁ」と思わせたラビの行動のエピソードである。
 いったどんなアホな事をしでかすのだろうか?

 第11話 「ラビット、将棋部脱退」にご期待下さい!

                              

※この物語はラビットの承諾を得て、事実を元に構成されたノンフィクションです

   総監督 海ちゃん




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